冷やしたほうが良いのか温めたほうが良いのか

怪我の処置

ケガをしたときは冷やしたほうが良いのか、温めたほうが良いのか?

※1:NHK冷やす?温める?最新ケア 打撲・捻挫・肉離れの対処法

怪我や急な痛みが起きたとき、最近は温めることも大事と言う事が分かってきたようです。慢性的な痛みだけでなく温めて血流を良くし、老廃物を流すことが痛みや組織の修復に必要です。

アイシングには痛みを緩和する効果があり、応急処置には必要なことと言う事は変わりないようですが、細胞組織の修復にはアイシングをすることでかえって損傷した組織の回復にマイナス面があることが分かってきました。

炎症があらゆる怪我を治す

炎症があらゆる怪我を治す。炎症は悪いことではなく治すための必要な物質を集め組織を修復しています。熱感は充血の為、発熱ではないので組織を壊しません。そのため冷やすことは必要ありません。温めると筋肉は緩み、血流が良くなり炎症が進み回復に必要な物質が集まり組織が修復します。筋肉痛の改善の為にも、トレーニング後にお風呂やマッサージをしたほうが改善したという研究報告があります。※2:新しい運動生理学・公益社団法人日本柔道整復師会第46回北海道学術大会講師札幌医科大学医学部當瀬規嗣教授

スポーツ先進国アメリカでは

スポーツ先進国アメリカでは怪我をしたら直後は冷やし、その後温めるを推奨しています。

冷やすことは痛みを緩和し、出血や炎症を抑えてくれますが、組織の修復はしてくれません。

痛みがある程度緩和したら積極的に温めましょう。

他の痛みや疲労について

慢性な痛みは温めが基本になります。

痛みの仕組みについて

筋膜に分布している神経に刺激が加わると、筋肉が痛むという仕組みになっています。運動に関する筋肉痛にはランニング中などに起こる急性筋肉痛、ランニング後しばらくして起こる遅発性筋肉痛、筋線維を断裂する肉離れに分けられ、深部痛覚では筋肉や関節包、骨膜などの自由神経終末で感じ取り、炎症による発痛物質の増加、血行不良、酸素低下などにより痛覚の感受性が増大します。発痛物質にはセロトニン・ヒスタミン・ブラジキニンなどがあり、乳酸はありません。遅発性筋肉痛は運動終了後72時間から数日後に現れ、乳酸は運動停止後60分以内で消失します。筋肉痛のメカニズムは、筋繊維や結合組織に微細な傷がつき損傷部分を修復しようと白血球が集まり炎症を起こし、発痛物質が生産され痛みを感じます。筋肉を酷使すると筋肉が硬くなり血管を圧迫、酸素が不足して血管内に疲労物質が蓄積し、神経を刺激してそれが脳に伝わり痛みを感じます。:※2参照

疲労回復とストレッチ

血行不良が痛みを増加させる。筋肉痛を取るためには筋肉の緊張を取って血流を良くすることが重要。ストレッチの中で静的ストレッチによる筋肉を伸ばした状態で、20から30秒の間の姿勢を保持することが疲労取りに適しています。その効果として筋肉の緊張を解除、血管への圧迫が取れる、血流の改善、発痛、炎症物質が洗い流されるなどがあり筋肉痛を防止できます。トレーニング直後に開始することをお勧めします。:※2参照

新しい疲労の考え方

これまでの疲労の学説は網様体説という考え方であったが、最近は疲労物質という考え方になり、サイトカインが増え、脳内セロトニン合成の増加が疲労するという説があります。また研究では疲労因子が発見され、タンパク質であるこの物質は炎症物質の増加に関与し、身体の方から生じて脳に作用する物質であります。:※2参照

乳酸と疲労

乳酸というと一般的に乳酸がたまると疲れや、痛くなる、筋肉痛の原因といわれてきましたが現在では否定されてきています。

体内で出のエネルギーの産生の一つである嫌気的解糖系で生じたピルビン酸を利用し、酸素を使って効率的にエネルギーを作るTCAサイクルというシステムがあり、そこで乳酸が活用されます。また、乳酸がないと持久力が出ない、乳酸が筋肉の外側に増えると筋肉の収縮する性能がアップするという実験結果もあります。結論を言うと乳酸は人間にとって極めて必要なエネルギー物質であり、疲労物質で筋肉内に乳酸がたまると筋肉の収縮力は低下するという考えは現在否定されています。:※2参照

まとめ

急な怪我で腫れや皮下出血が起きるような場合は冷やす。腫れが落ち着いてきたら温める。

疲労やだるさなどの場合はストレッチやお風呂に入り血流をよくし、発痛物質を流してゆっくり布団に入り睡眠をとる。

セルフケアをすることも大切です

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